このページで扱う範囲
人材紹介は、人材紹介会社(エージェント)に募集要件を伝え、要件に合う候補者を紹介してもらう手法です。このページでは、国内で広く使われている人材紹介会社7社と、採用業務そのものを外部委託する採用代行(RPO)という選択肢を、事実項目で整理します。人材紹介は採用手法の全体像で触れたとおり、入社が確定した時点で紹介手数料が発生する完全成功報酬型が中心です。
総合型で幅広い職種に対応する会社、管理職・専門職に特化した会社、IT・Webに特化した会社まで、得意領域には幅があります。比較表の事実項目を確認したうえで、募集するポジションの専門性に応じて検討することが実務上の出発点になります。紹介手数料の相場感や返戻金制度の仕組みについては、厚生労働省の職業紹介事業に関するページもあわせて確認しておくと、契約条件を理解しやすくなります。
【比較表】人材紹介7社
| プレイヤー | 運営会社 | サービス形態 | 得意領域 | 料金体系の種類 | 上場有無 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| リクルートエージェント | 株式会社インディードリクルートパートナーズ | 総合型人材紹介 | 幅広い業種・職種 | 完全成功報酬型 | 非上場(リクルートグループ) | 国内最大級の求人データベースを保有するとされる |
| doda(人材紹介) | パーソルキャリア株式会社 | 総合型人材紹介 | 幅広い業種・職種 | 完全成功報酬型 | 非上場(パーソルグループ) | 転職サイトdodaの会員基盤とキャリアアドバイザーを併用 |
| JACリクルートメント | 株式会社ジェイエイシーリクルートメント | 管理職・専門職特化型人材紹介 | ミドル〜ハイクラス、グローバル人材 | 完全成功報酬型 | 上場(市場区分は公式サイト参照) | 英国発祥で世界12カ国に展開するグローバル基盤 |
| パソナ(パソナキャリア) | 株式会社パソナ | 総合型人材紹介 | 幅広い業種・職種 | 完全成功報酬型 | 非上場(パソナグループ) | パソナグループの人材紹介事業ブランド |
| マイナビ転職エージェント | 株式会社マイナビ | 総合型人材紹介 | 幅広い業種・職種、20〜30代に強み | 完全成功報酬型 | 非上場 | 2025年12月に「マイナビエージェント」から名称変更 |
| エンエージェント | エン株式会社 | 総合型人材紹介 | 幅広い業種・職種 | 完全成功報酬型 | 東証プライム上場 | 「入社後活躍」を重視した個別面談型サポートを掲げる |
| レバテックキャリア | レバレジーズ株式会社 | IT・Web専門特化型人材紹介 | ITエンジニア・クリエイター | 完全成功報酬型 | 非上場 | 同社の「レバテックダイレクト」はスカウト型の別サービス |
2026年9月時点、各社公式サイト・公開資料に基づく。最新情報は各社サイトで確認してください。
プレイヤー別プロフィール
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、株式会社インディードリクルートパートナーズが提供する総合型の人材紹介サービスです。国内最大級の求人データベースを保有するとされ、幅広い業種・職種の中途採用に対応しています。料金体系は、候補者の入社が確定した時点で紹介手数料が発生する完全成功報酬型で、手数料は一般的に「理論年収×料率」で算出される仕組みです。求人企業側の利用料金はかからず、入社確定時にのみ費用が発生する点は、他の人材紹介会社とも共通しています。
doda(人材紹介)
dodaは、パーソルキャリア株式会社が運営する人材紹介サービスで、求人媒体の比較ページで紹介した転職サイトdodaの会員基盤を生かしている点が特徴です。専任のキャリアアドバイザーが求職者と企業の双方をヒアリングしたうえでマッチングを行う体制を敷いているとされます。料金体系は完全成功報酬型で、掲載費用のような活動中の固定費は発生しません。
JACリクルートメント
JACリクルートメントは、上場企業である株式会社ジェイエイシーリクルートメントが運営する人材紹介会社です。英国発祥のグローバル基盤を持ち、世界12カ国に事業を展開しているとされ、管理職・専門職・ミドル〜ハイクラス層の転職支援に強みを持つとされています。料金体系は完全成功報酬型で、グローバル人材の採用を検討する企業の選択肢のひとつに挙げられます。
パソナ(パソナキャリア)
パソナキャリアは、株式会社パソナが運営する人材紹介サービスブランドです。採用が決定するまで無料の完全成功報酬型を採用しており、紹介手数料は採用決定者の想定年収を基に一定の料率で算出され、入社が完了した時点で請求される仕組みです。料率や条件の詳細は、公式サイトの企業向け案内から問い合わせて確認する必要があります。
マイナビ転職エージェント
マイナビ転職エージェントは、株式会社マイナビが運営する総合型の人材紹介サービスです。2025年12月に「マイナビエージェント」から「マイナビ転職エージェント」へ名称が変更されました。転職支援サービスは求人企業から支払われる紹介手数料によって運営されており、完全成功報酬型を採用しています。新卒でマイナビ関連サービスを利用した20〜30代層への接点が多い点が特徴とされます。
エンエージェント
エンエージェントは、東京証券取引所プライム市場に上場するエン株式会社が運営する人材紹介サービスです。「入社後活躍」にこだわりを持つとして、専任のキャリアパートナーによる個別面談や求人紹介、面接対策などのサポート体制を掲げています。料金体系は完全成功報酬型で、求職者側の費用負担は発生しません。詳細な手数料表は公式サイトで公開されています。
レバテックキャリア
レバテックキャリアは、レバレジーズ株式会社が運営するIT・Web業界に特化した人材紹介サービスです。ITエンジニアやデザイナー・クリエイターの転職支援に強みを持つとされ、料金体系は候補者の入社が決定した場合にのみ紹介料が発生する成功報酬型を採用しています。同社は、企業がデータベースから直接スカウトを送る「レバテックダイレクト」という別サービスも運営しており、人材紹介とダイレクトリクルーティングの両方をIT領域で展開している点が特徴です。
採用代行(RPO)という選択肢
採用代行(RPO)は、特定の1社を指すものではなく、求人票の作成、媒体運用、応募者対応、面接日程の調整といった採用業務の一部または全部を外部の専門事業者に委託するサービス全体を指します。キャリアマートやCASTER BIZ recruitingをはじめ、複数の事業者がRPOサービスを提供しており、料金体系は月額固定型・従量課金型・成果報酬型など、事業者によって異なる設計を採用しています。
RPOは、社内に採用担当者を十分に配置できない企業や、増員のタイミングで一時的に採用工数が膨らんだ企業に選ばれる傾向があります。人材紹介のように候補者そのものを紹介するのではなく、求人媒体やダイレクトリクルーティングといった他の手法の運用を代行する立て付けである点が、人材紹介との大きな違いです。委託する業務範囲と社内に残す業務の切り分けを事前に整理しておくことが、RPO活用の実務上のポイントになります。
比較表の読み方
リクルートエージェント・doda・パソナ・マイナビ転職エージェント・エンエージェントのような総合型は、幅広い業種・職種の募集で検討対象にしやすいサービスです。一方、JACリクルートメントのようにミドル〜ハイクラス層やグローバル人材に特化した会社、レバテックキャリアのようにIT・Web職種に特化した会社は、専門性の高いポジションを募集する際に検討対象にしやすいといえます。
上場有無は、会社の規模や情報開示の姿勢を確認する一つの手がかりになりますが、非上場であることが直ちにサービスの質を左右するわけではありません。実務上は、募集する職種にどれだけ強みを持つか、担当となるキャリアアドバイザーとの相性がどうかといった点も、公式サイトの実績紹介や問い合わせを通じて確認することをおすすめします。あわせて、返戻金制度の保証期間や、紹介から面接設定までの標準的なリードタイムについても、契約前に確認しておくと、実際の採用スケジュールとのずれを防ぎやすくなります。
人材紹介会社との付き合い方
人材紹介会社は、求人票を渡せば自動的に候補者が紹介される仕組みではなく、担当コンサルタントに自社の情報をどれだけ具体的に伝えられるかで紹介の質が変わります。募集背景、配属チームの構成、求めるスキルの必須条件と歓迎条件の区別、年収レンジ、選考フローと所要日数、面接官の名前と役職といった情報を最初に共有し、紹介された候補者に対しては可能な限り早く合否と理由をフィードバックすることが、継続的に良い紹介を受けるための基本になります。返答が遅いと、候補者が他社の選考で決まってしまうだけでなく、紹介会社側の優先順位も下がりやすくなります。
複数社に依頼する場合は、同じ候補者が複数の会社から紹介される「重複推薦」への対応ルールを事前に決めておく必要があります。一般的には先に推薦を受けた会社を優先する運用が多いとされますが、契約書の条項によって扱いが異なるため、契約時に確認しておくと後々のトラブルを避けられます。手数料の料率や返金規定も紹介会社ごとに条件が異なるため、比較表の「完全成功報酬型」という料金体系の種類だけで判断せず、各社の公式サイトや契約書で具体的な条件を確認してください。
よくある質問
人材紹介は複数の会社に同時に依頼してもよいですか。
複数の人材紹介会社に同時に依頼すること自体は一般的に行われています。ただし、同じ候補者が複数の経路から重複して紹介される可能性があるため、進捗管理を丁寧に行う必要があります。採用管理システムで紹介元を含めた応募者情報を一元管理しておくと、混乱を避けやすくなります。
紹介手数料の返金制度はありますか。
多くの人材紹介会社が、入社後一定期間内に紹介した人材が退職した場合に、紹介手数料の一部を返還する「返戻金制度」を設けています。保証期間や返戻率は会社によって異なるため、契約前に条件を確認することをおすすめします。
RPOと人材紹介はどう使い分ければよいですか。
人材紹介は候補者そのものを紹介してもらう手法であるのに対し、RPOは採用業務の運用を委託する手法です。候補者の母集団形成に課題がある場合は人材紹介、採用業務の工数そのものが不足している場合はRPOが検討対象になりやすいといえます。両方を組み合わせて活用する企業もあります。
まとめ:次に読むページ
人材紹介は完全成功報酬型が中心で、総合型と専門特化型という大きな違いがあります。採用代行(RPO)は、候補者を紹介するのではなく採用業務の運用そのものを委託する手法であり、人材紹介とは役割が異なります。募集するポジションの専門性と、社内の採用工数の余力を照らし合わせて検討してください。
これまでのページで紹介した求人媒体・ダイレクトリクルーティング・人材紹介を組み合わせて運用する場合の考え方は採用手法の全体像を、応募者が集まった後の面接設計は採用広報のページをご覧ください。
